新年度がスタートし、2週間が経ちました。
毎回そうですが、新年度は「再スタート」の意味合いが強い。
いろいろありますが、例えば宿題。
急に量を増やしたわけではありませんが、チェックは少しうるさくしています。
やはり意識していないことには、悪い「慣れ」が生じるものです。
「やり直しまではしなくてもいいかな。」
とか、
「○つけは間違ったところだけでいいかな。」
とか、
酷い場合は
「今回はやりなくないな」
とか。
よほどしっかりした生徒でないと、この「怠けライン」はどんどん進行していきます。
ここは大人も強く意識しておかなければいけません。
知らず知らずのうちに、
「最近忙しかったから、今回はこれでいいか」
とか、
「いつも頑張っているし、このくらいはいいか」
とか、
大人が「怠けライン」を容認しているケースは非常に多いです。
先生の中でも、いわゆる「甘い」先生はこのラインをすぐに動かします。
そういう先生の下で育つ生徒は、不幸といわざるを得ません。
多くの生徒は、大人の顔色を伺って、ラインを動かそうとします。
ラインが動けば、次はどうやってラインを動かそうかと創意工夫をし始めます。
工夫をしなきゃいけないのは、そんなところではないはずなのに。
大人は毅然とした態度で子どもに接するべきです。
・「ここは絶対」という「ライン」をはっきり明示する。
テストで○○点以上取る、といった結果目標ではなく、○時までに宿題を終わらせる、などの、本人の努力次第で叶えられるラインが必要です。
・怠惰による「ライン」未達に対し、叱るだけでなく、許して向き合う
できなかったのは既に過去。できるようにすること、できるようになろうと思うようにすることが遥かに大事です。
叱ることは必要ですが、間違っても「もうあなたなんか知らないわよ!」などと、感情をぶつけるだけの怒りは逆効果です。
先日の授業では、宿題の状況があまりよくなかった生徒にもう1回ラインを明示しておきました。
その生徒の宿題をチェックしているとき、私の表情は自然と寂しそうな顔になっていたのでしょう。
バツが悪くなったその生徒は、長々と「なぜ宿題が最後まで終わらなかったか」を話し始めました。
こういうとき、私は何も話さないことが多いようです。
無言の視線でメッセージを送ります。
ちゃんとその生徒も、メッセージを受け取ってくれました。
「すみませんでした。来週必ずやってきます。」
「あと、今日の分も一緒に出していいですか。」
こうなれば、私はもう許すだけです。
あと来週の授業でちゃんと宿題ができていれば、労ってあげることだけです。
宿題をやってこない生徒がいると、先生は悲しいんですよね。
親の言うことを聞かない子どもが家にいると、おそらく親も悲しいでしょうね。
最近の子どもの指導をしてつくづく思うのは、
「怒りつけてもダメ、『悲しい』『嬉しい』の感情を伝えることの方が大事」
ということです。
おうちの方にお願いです。
子どもがなかなか勉強に身が入っていないとき、
「ちゃんとやらないとお前のためにならんぞ!」
よりも、
「ちゃんとやってないなー、これが続くのは少し悲しいな・・・」
なんていうメッセージを発信してください。
また、子どもが頑張ったときは、精一杯「嬉しい」を伝えてください。
照れないでくださいね。
ちゃんと子どもにも、
「一生懸命頑張ることが、誰かを幸せにすることができるんだ」
という価値観を持たせてあげてください。
これは、周りの大人の使命だと思うのです。
さ、私は私で、今週も楽しく授業ができるといいな。
今週の1番の授業準備は、「2週分の宿題を完成させてきた生徒と、どうやって喜びを分かち合うか」の、西野でした。